かつて、バブルに浮かれ社用族だったおじさんたちは、社交ダンスと聞くとすぐ思い浮かべるのがナイトクラブの、お金もってらっしゃい！の見目麗しいホステスさんと薄暗いなかで踊る下心見栄みえのチークダンス、はたまた、ずんっちゃっチャチャチャチャ！・・・・・・・と踊るお座敷小唄ジルバをすぐに思い浮かべるのだ。
まれには、ユルブリンナー主演の「王様と私」のなかのワルツとかシュワチャンが踊るタンゴとか思い出す感心な叔父さんもいるのだが、大体が、クラブのお姉さんの腰を抱くことしか思い浮かべないだろう。
バブルにはしゃぐ前の高度経済成長のころは、若かりしおじさん達は実は意外なところで結構ダンスをしていたのだ。会社一丸となっての納涼祭とか、クリスマスパーティーとかでアマチュアバンドをバックに結構ピュアーな気分で楽しんだはずなのに、あの、バブルがすべてをぶち壊してしまったのだ。人間の、素直な気持ちさえも。そして、世の中をいつも斜めに見てしまう国民に成り下がったのだ。
社交ダンス（ソシアルダンスとも言う）は、必ず男女で踊る。ヨーロッパでは小学生のうちからダンスを覚え女性に接し、女性に対する気配りを覚えるのだ。
不思議な緊張感のもと、女性とダンスをするとき決して自分のペースを押し付けてはいけないし、無理やり踊らせようとしてもだめ！つまり自分の体の芯から出てくる力を相手に伝えることにより自然にリードするという非常に奥の深い経験を要することなのである。
然るに、いまだに、カラオケスナック等で若いお姉ちゃん達に親父うけしようとして、ダンスを習いにくる不届き者も絶えない。彼らは、一様にブルースとジルバを教えてくれば良いと言い、大体一ヶ月持たないのだ。
この手のだんなを持った女性は不幸としか言いようが無い。いまや、ダンスは年齢層が５０代以上になり、その女性パワーたるやとても男には真似できない。子育ても終わり、やっと自分の趣味を見つけ嬉々としてダンスに打ちこむ姿を見ていると、このだんな達は何をしているのだろうかと思う。
前述の様に、叔父さん達はダンスと言うとすぐクラブのホステスとのチークダンスを思い出すから、女房とクラブのホステスを二重写しにしてしまい、悶々として帰りを待っているのだ。挙句の果て、なにやら文句をつけては家に縛り付けておこうとする情けないオジサンになってしまっている。
世の、おじさん達よ、女性に対する優しさ、心配りを再確認する為にぜひ社交ダンスを夫婦ともどもすることを提案する。人生は長い、音楽に合わせ、若々しい女性達とたっぷりスポーツダンスをすることにより健康で楽しい人生を送れるのだ。
